薬剤師として働いてしばらくしたら寿退職し、子供を保育園で預かってもらえるようになってからまた仕事を探すと言うのはよくあるパターンです。しかし、ママ薬剤師が新しい職場を探す際に気になることは沢山あります。その職場には残業はあるのか、子供の生活に合ったシフトで働けるのか、何かあった時にすぐに休みがとれるのか。など、子供を預かって貰えるようになったからといって子供の世話が必要なくなるわけではないのです。
求人を探す際に、託児所有りやママ薬剤師歓迎などを謳っている職場を探してみても、そういった職場はそれほど数がありません。仮にあったとしても、自宅から遠くて通えないということもあるでしょう。ママ薬剤師は家からあまり離れられないため、働ける地域は家から一定距離の職場に限られてしまいます。そんな中で薬剤師として働ける職場を探す際に一つ良い指標になるのが職場の規模です。
抱えている薬剤師が5名未満の小規模な職場では、職場全体の仕事量に対して一人の薬剤師にかかる負担が大きく、混雑すれば残業になりますし、急に休みを取ろうにも代わりの薬剤師がいないということもあるでしょう。小規模な薬局やドラッグストアと言うのは数が多くて人手不足なため求人も多く、働き始めること自体は簡単です。しかし、そう言った職場はママ薬剤師にとっては働き始めてからが大変です。
そこでママ薬剤師が探したいのは、一定人数以上の薬剤師が勤務する職場です。大きな薬局やドラッグストアではお客さんも多く忙しくなりますが、その分勤務する薬剤師も多くなります。職場の忙しさにもよりますが、薬剤師がパートや派遣含めて全体で最低7人以上いるような職場であればママ薬剤師でもある程度は働き易いはずです。どんな職場でも最低一人は薬剤師がいなければならず、繁忙期や時間帯によってはそれを二人から三人に増やします。それをシフト制で交代しながら働く形にして、一人辺りの負担を減らすのです。
薬剤師の数が多ければ多いに越したことはありません。大手のドラッグストアであればどうしても人数が揃わない時は別のドラッグストアに勤務する薬剤師を臨時で派遣する事もできますし、そもそも店舗あたりの薬剤師の数も普通の薬局などと比べると多いので安心です。人が多いからと言って必ずしもママ薬剤師が働く余裕があるとは限りませんが、小規模な薬局などよりは余裕があるでしょう。
ただ、人数が多いからと言って融通を効かせてくれるとは限りません。面接などでしっかりとママ薬剤師であることを話し、必要な時にきちんと休みがとれるのか、シフトなどの融通は効くのかどうかを確認しましょう。待遇面で面倒な事を言うと採用されないのではないかと思うかもしれませんが、一番大切なのは子供のための時間が作れるかどうかです。人数が沢山いても一人一人の要望には答えていられないと言って全く配慮してもらえないケースもありますし、小規模な店舗でもお客が少なければ融通を効かせてくれるでしょう。そう言ったことは、実際に話してみないことには分かりません。
確かに雇う側からすれば、突然休まれるかも知れない、残業してもらえない、と言うのはママ薬剤師の欠点だと思われるかもしれません。それでも、人手不足の薬剤師を繁忙期に確保するのは難しく、出来る限り人手は確保しておきたいものなのです。それよりも、実際に働き始めてからママ薬剤師だったと分かり、頻繁に休まれる方が困ります。採用してもらえないかもしれないと臆病になるのではなく、雇用する側もされる側も、どちらにもメリットがあるような転職となるようにしましょう。