妊娠の際に出産や子育てを見越して職場を辞めて、子供が進学するまで専業主婦として生活してきた薬剤師が長いブランクを経て職場復帰するということは良くある話ですが、言葉で説明するほど簡単なことではありません。何年も現場から離れている間に新しい薬がたくさん増えていますし、新しい制度や規則が増えて働き方が変わり、ただでさえ何もかも変わった職場に久しぶりに戻るのです。不安は尽きないでしょう。そんな職場復帰を控えたママ薬剤師が注意するべきことをまとめてみましょう。
新卒と同じ扱いで良い、とでも言わない限り復帰する際の職場は以前と同じか、それに似た職場と業務が良いです。職場から離れている間に、本当に色々なことが変わっています。勘を取り戻してくれば、それこそ現役薬剤師と変わらない働きができるようになるはずですが、それまでは新人薬剤師と何ら変わらない立場です。勘を取り戻すまでの期間は、その職場の状況がどれだけ以前働いていた職場と似ているかに大きく左右されるでしょう。
以前働いて職場にそのまま復帰できれば良いのですが、自分がいない間に当然新しい人が入ってきていて、自分が戻っても働く場所が無いということも十分考えられます。そんな時には新しい職場を探すことになりますが、できる限り以前と似たような職場で働くことでブランクを取り戻すまでの期間を短縮したいですね。
新人として働き始めた若い頃なら良いのですが、長く専業主婦として生活していたママ薬剤師が急に丸一日職場で拘束されて忙しく働いていると体調を崩してしまうことがあります。また、子供が就職して独り立ちしたのなら良いのですが、子供が小学生や中学生だと家に長時間母親がいないと何かとトラブルになることが多いです。
自身の身体的・精神的負担や子供とのコミュニケーション時間の確保を考えると、残業せずに早めに帰って来られるような職場か、週に2・3日の出勤で済むような職場で働くのが理想です。教育費でこれからさらに出費がかさむようになりますが、教育費を捻出するために子供とのコミュニケーションが疎かになったり体を壊したりしてしまっては元も子もありません。
これから仕事一筋に生きるということでなければ、ワーク・ライフ・バランスを第一に考えた職場選びをしたいですね。
いざという時に頼りになるのは同僚や知り合いの助けでしょう。今までは自分がずっと子供のそばにいられましたが、これからは肝心な時に子供の側にいられないというケースも増えてきます。どうしても自分のそばにいられない時は、同僚や知り合いに頼んで仕事を変わってもらったり、子供の面倒を見てもらったりすることになるはずです。
働き始める前に助けてくれそうな友人や知人に自分が働き始めるから時々助けて貰うかもしれないと予め話をしておき、仕事を初めて同僚と親しくなったら、同僚にも自分には子供がいるので仕事を変わって貰うことがあるかも知れないという話をそれとなくしておきたいですね。
実際に助けが必要になるかどうかはさておき、そうやって「あなたを信頼しているから助けて欲しい」という話をするだけでも信頼関係の作るのに役立つものです。そうして本当に助けが必要になったら、もしかすると相手の方から申し出てくれることもあるかもしれません。また、久しぶりの仕事で困った時に頼りになるのも同僚ですので、そういう意味でも同僚と良い関係を築いておくのは大切ですね。
仕事も子育ても一人だけでやるものではありません。助けてくれる人を早い内に見つけるというのも、久しぶりに仕事を始めるママ薬剤師に必要なことですよね。