製薬企業で働いているけど、将来薬局開業したいから転職して準備したい:薬剤師転職navi |
製薬で働く薬局未経験の薬剤師が、薬局開業するとは?
製薬会社で働いている薬剤師さんはエリートというイメージを私は持っています。
世の病気に苦しむ人々の為に、日夜研究にいそしみ新薬を開発する。
そして、出来上がった新薬を医師や薬剤師の元へ情報提供しにお伺いする。
仕事は大変ですが、それに合わせて給与などのリターンも多いと思います。
お金に余裕が生まれやすいのもあるでしょうが、折角薬剤師になったのですから将来のキャリアプランの一つに薬局の経営にも着手してみたいと思われる方もいらっしゃると思います。事実、製薬企業から転身して、薬局経営をしている薬剤師も実は多いのです。
そんな方が、将来の目的の為に薬局に勉強を兼ねた転職をする場合に、気をつけたい事や知っておきたいこととは、どんなことでしょうか。
製薬会社の薬剤師は、プライドが高い?
調剤薬局でずっと働いている薬剤師さんに話を聞く事があるのですが、製薬会社から転職してきた人はプライドが高い人が多いそうなんです。
確かに研究職に就かれていた方なんかは、大学院にも通っていらっしゃったでしょうし、そういった今までのキャアで他の薬剤師さんより誇れるものがあるからなのかもしれませんね。
しかし、調剤経験が未経験あるいは少ないので、研究に関する知識はあっても保険薬剤師としてのノウハウは現場で働いている方のほうが圧倒的に優れているのです。
それ故に、製薬企業で働かれている薬剤師からみると納得がいかない事でしょうが、薬局の現場では、「プライドだけ高くて仕事では使い物にならない。」なんて事を言われてしまう事もあるようです。
「6年制薬剤師と4年制薬剤師はどう違うのか?」のコラムでも書きましたが、知識だけの頭でっかちな経験だけでは、その差を埋めることができないのもまた事実なのかもしれません。
(知っていること・分かっていることと、できることとは、まったく違うのと一緒かもしれないですね。)
そういった事から、もし調剤薬局で保険薬剤師として働こうと考えているならば、最初はどうしても新卒薬剤師と同じ気持ちで臨む必要があるかもしれません。
郷に入っては郷に従えということわざもありますし、薬局で働きたいならば薬局でのルールに従って働いていくようにするのが良いと思います。
MRの経験は大いに生かせるのか?
製薬会社の薬剤師さんは、研究職とMRとして活動している方といらっしゃいます。
研究職の方は、研究が中心になるでしょうから学会や臨床試験などの予定がない限りは、研究所内で実験に没頭している事が多いと思います。
逆にMRの方は、広報宣伝や医薬品の適正使用の情報提供の為、あるいは薬品の勉強会のセッティングやプレゼンテーションなど、外での活動が中心です。
MRのそういった広報活動で培われたスキルというものは、調剤薬局に職場を移しても大いに役に立ちます。
薬局での主な仕事は、患者さんに対する服薬指導です。
つまりコミュニケーションスキルが高いと患者さんとの意思疎通も取れやすくなり、多くの情報を得られる可能性が増えてくるのは間違いありません。
また、医師とのコミュニケーションの取り方も心得ているでしょうから、近隣の病院やクリニックとの連携も取りやすくなるのではと思います。
もちろん研究職の方も、学会でのプレゼンテーションをされているでしょうから、そういったスキルも持ち合わせているのではないでしょうか。
薬局で、薬局経営について学ぶとは?
薬局への転職の目的が、自分での将来的な薬局開業であるならば、薬局経営のサポートをしている薬局への転職が一つの選択肢として良いと思います。
実際に多くの会社が、独立希望の薬剤師を雇い、それぞれに店を任せて経営のノウハウを教えるという事をしています。
また、独立後もサポートをしてくれるような会社もあるようです。
将来の開業が希望であるのならば、適当な薬局に転職するのではなく、そういった独立の為のサポートをしてくれるような会社を選んで転職する方がベターではないでしょうか。
もし、薬局で働いてみて、保険薬剤師として働くのが自分に向いてないと思っても問題はありません。
それは、開業自体は薬剤師でなくても出来るからです。
開業はあなたが行い、薬局の責任者として管理薬剤師を雇って任せれば良いのです。
店舗マネジメントを転職先で学ぶ事が出来れば、独立後は裏で運営をサポートするというやり方もできるでしょう。
そういった意味でも、店舗マネジメントの勉強をさせてくれる会社は貴重になると思います。
ただし、マネジメントだけする訳ではないので、雇われている間は保険薬剤師としての責務は果たさなければいけないのは忘れてはいけません。
新規開局、独立についての記事も書いています。開業を考える際にはぜひ一度読んでみて頂きたい内容です。
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