| 6年制薬剤師と4年制薬剤師は…：薬剤師転職navi |
平成18年度より学校教育法が改正され、薬学部は6年制となりました。
この報せを聞いた時に、4年制の時代に卒業した現役薬剤師のみなさんは
「レベルの高い薬剤師がこれからどんどん世に出てくる。」
「4年制卒の薬剤師は研鑽を積まないと置いていかれてしまうのでは。」
なんて事を話したりしていたそうです。
登録販売者が世に出て来た時も、薬剤師が現在請け負っている仕事を一部できるという事で
「ドラッグストアなどは薬剤師数を減らしてくるのでは。」
「登録販売者が出て来た事で、薬剤師としての新たな職能に努めれる。」
などの話があがっていました。
何か新しいものが業界に入ってくる時、期待する一方で不安に感じる意見も出てくるのが常です。
6年制の薬剤師が世に輩出されてもう3年目ですが、彼らは薬局でどのように扱われているのでしょうか。
実際に6年制の薬剤師と一緒に仕事をしたり、あるいは実習にきた6年制薬剤師の指導をしたりしている、ある薬局の薬剤師さんの話では、
「4年制卒薬剤師の立場がおびやかされるような存在ではなかった」という事でした。
確かに6年制になった事で、臨床的な知識を沢山勉強するようになりましたし、実習期間も大幅に延長され、調剤業務などの経験もより積めるようになっています。
しかし、そういった知識もインプットするだけでは役に立たないのです。
インプットしたものは、経験というアウトプットを経る事でより磨かれていくものです。
4年制薬剤師は2年間実務をこなして経験を積んでいますので、現場では新卒6年制に対して大きなアドバンテージがあるのです。
確かに薬剤師3年目の人と、新卒薬剤師が現場で同じ働きが出来るかと言ったら、そうではないですよね。
大学では知識という基礎を学びますが、現場で問われるのは応用力です。
そして、応用力は実戦経験の多さがものをいうものです。
また実習中の学生に関しては、薬理的な話をしても通じない事がままあったそうです。
知識的な面でも未熟なところを感じてしまったと話されていました。
こういったマイナスの意見が多いのは、6年制に対しての期待が大きかった分残念だったという事なのでしょう。
そういった意味で、4年制薬剤師が2年間薬剤師業務に従事してきたものと6年制薬剤師の新卒では差がさほど感じられないという意見が多い様です。
実務経験が多くアウトプットの機会に恵まれる分、4年制薬剤師の方が役に立つという意見もあるほどです。
これには薬局薬剤師に出来る事がまだまだ少ないというのも理由にあると思われます。
臨床知識がいくら優れていても、それを発揮する機会に恵まれないと宝の持ち腐れという訳です。
臨床知識をより活かせる病院などに勤務すれば、6年制薬剤師も能力を発揮できるのかも知れません。
それでも薬剤師が行える事には限界があるので、そういった意味では業界がこれから変わっていく必要があるのだともいえます。
薬剤師が行える医療行為が増えてくれば、6年制薬剤師もその知識を存分に活かせるのではないでしょうか。
6年制薬剤師が働きだしてからまだ3年。
いきなり結果を求めるのは酷ですし、これから6年制薬剤師が浸透して来てどう変わっていくのかは楽しみであります。
業界全体にも6年制薬剤師が認知され、薬剤師の職能が拡大されていけば活躍の機会は無限大に広がっていくのではないでしょうか。
まとめとして、
現在の6年制薬剤師の薬局での立場は、今までの4年制薬剤師と大きく変わる物ではないようです。
しかし、知識量は4年制薬剤師よりも豊富ですから、これから経験を積んでいく事で逆転する事が大いに可能でしょう。
自分は6年制だからといってその地位にあぐらをかいているようでは、4年制薬剤師以下の存在です。
単に6年制だからといって薬局でちやほやされる事はありません。
社会に出たのなら、1薬剤師として責任を果たし、今までの知識をアウトプットして経験を積みましょう。
薬剤師が6年制になって良かったと思われるには、現在の6年制薬剤師がどれだけ貢献できるかにもかかっているのです。
医学部の真似をして6年にしたけど、何の意味もなかったなどと言われない様にしたいものです。
また、6年制薬剤師の活躍によって薬剤師の新たな職能の拡大が生まれれば、薬剤師の活躍の場が増え、就職・転職の選択肢も幅広くなっていく物だと思います。
6年制薬剤師に対する評価をまとめたサイトがありました。
参考にしてみて下さい。
やはり期待が大きかった分の反動があるようですね。
これからどう変わっていくかに期待しています。
ココヤク：6年制新卒採用後の今
http://cocoyaku.jp/feature/detail?feature_id=2721
