選んではいけない、多店舗展開の調剤薬局チェーンの特徴とは:薬剤師転職navi |
多店舗展開の調剤薬局チェーンに勤めるのは良いのか?
勤めるのならば、経営が不安定な会社よりも、当然安定している会社が良いですよね。
小さな個人薬局でも収益の安定しているところはありますが、大手の調剤薬局チェーンと比べるとやや経営が不安定な場合が多いようです。
それだったら、最初から大手の調剤薬局チェーンを探して就職した方が良いのかと言ったら、実はそうでもありません。
会社全体で見れば経営の安定している大手調剤薬局チェーンでも、裏事情があったりするものなのです。
多店舗展開の調剤薬局チェーンに勤めようと思った際、注意したい点は何なのでしょうか。
経営が安定…でも全ての店舗がそうではない。
経営が安定しているというのは、展開している全ての調剤薬局の収益を総合しての判定です。
収益の総合がプラスであれば安定しているとなっています。
という事は、収益が黒字の薬局で収益が赤字やトントンの薬局をカバーする事ができれば良いという事になります。
赤字の店舗がいくつあろうと、それを上回る黒字を出している店舗があればカバーできます。
余程赤字がひどい店舗は閉局してしまうでしょうが、少し赤字の店舗やトントンの薬局というのは、少しでも収益を黒字にしようと経費削減を行っている事が多いものです。
経費削減でまず目をつけられるのが人件費でしょう。
人件費は薬局の支出の中で大きな部分を占めるものですから、ここを削減する事ができれば薬局の抱える負担も軽くなります。
そして、薬剤師1人にかかる人件費は大きなものとなるので、手っ取り早く人件費を削る為に薬剤師の人数をギリギリにして経営している薬局が多いのです。
「安定している調剤薬局チェーンを選んだら、一人薬剤師の店舗に配属になった。休憩する暇もないし、きつい。」という経験をした薬剤師さんは、実は少なくありません。
1人薬剤師の実態は・・・
「1人薬剤師の厳しさとその対策について」
もちろん黒字の店舗も収入が大きい分忙しいのですが、薬剤師の人数も揃えているのでお互いにカバーする事ができるので負担が分散できます。しかし、一人薬剤師だと自分以外に頼れる人もおらず、負担をほぼ全て背負わなければいけないでしょう。かといって給料が特別に高額という訳でもなく、心身にかかるストレスは大きなものになってしまいます。
パートや条件付きの正社員ならば、配属先を指定することができたり、希望を優先してくれる場合があるので一人薬剤師や処方箋枚数に比べ薬剤師数の少ない薬局への配属を回避する事もできますが、正社員で働く場合は配属先を自由に選ぶ事ができない事が多いのが現実です。
そうなった場合に、給与に見合わない仕事をさせられるという事になってしまいます。
転職の際の店舗指定については、こちらのコラムが詳しいです。
「転職時、店舗指定できる薬局・できない薬局」
薬局チェーンで、気をつけるべきこと…
経営が安定している薬局に勤められても、あなたがそういった環境に置かれてしまっては元も子もありませんよね。もし、多店舗展開の調剤薬局へ勤めようと思ったら、配属先の情報を聞いたり要望をしっかり伝えておいたり、このあたりはナーバスになったほうがよいでしょう。
もちろん、一人薬剤師の方が気兼ねなく働けるという方もいらっしゃるので、一人薬剤師の店舗が一概に悪いという訳ではありません。しかし、やりがい以上にストレスが大きい場合も多く、長く勤めるにはつらい環境であるのも事実です。
他にそういった事を回避するには、企業が言いたくない事を転職コンサルタントを活用することで上手く聞き出す方法もあります。個人で情報を得るよりも、コンサルタントを介した方が多くの情報を得られますし、交渉の場でもコンサルタントが配属に関する交渉を有利に進めてくれる事でしょう。また、一人薬剤師ではない店舗の求人を紹介という事もできます。
多店舗展開の調剤薬局チェーンの中では、大規模チェーンより中規模のチェーンの方がギリギリでやっている場合が多く、注意が必要です。もし、そういったチェーン調剤薬局の求人を見つけた場合は、良い条件でも少し警戒をして損はありません。(すべての中堅薬局チェーンがこの限りではありませんので、あしからず。)