| 1人薬剤師の厳しさとその対策について｜：薬剤師転職navi |
「一人薬剤師なのですが、忙しすぎてもう我慢の限界です。」
なんて話を耳にする事がよくあります。
実際、小さな個人薬局やチェーン経営の薬局で処方箋枚数のさほど多くないところは1人薬剤師で運営している所が殆どだと思います。
それが地方ならば、人口の都市集中による薬剤師不足かもしれませんし、チェーン経営だったら人件費の削減という理由があると思います。
そういった理由もあり、一人薬剤師は簡単に解決できる問題ではありません。
「一人薬剤師はもうつらい。辞めてしまおうかな。」
転職する薬剤師さんの中にも、一人薬剤師が大変だからと言って相談に来られる方も大勢いらっしゃいます。
しかし、薬局にきている患者さんや働いている会社への迷惑を考えると、簡単に転職するという訳にはいかない場合もあります。
そこで、一人薬剤師の問題点と対策について考えてみたいと思います。
一人薬剤師の厳しさとしてまず挙げられるのが、調剤・監査・投薬を全て一人でやらなければならない事でしょう。
医療事務さんにピッキングだけ手伝ってもらうなんて事もできますが、これについては
『医療事務によるピッキング、監査が日常化している時に取るべき行動とは？』で書いた通り
ブラックに近い、グレーゾーンな行為です。
監査で指摘を受ける様な事があれば問題になりますので、避けた方が良いでしょう。
まず、一人薬剤師をやる上で考えておかねばならない事は人が関わる以上、ミスは必ず起こってしまうものと考えておかなければならない事です。
ましてや一人薬剤師だと、複数の薬剤師によるチェック体制と比べてミスの確率は飛躍的に上がってしまいます。
流れ作業で調剤から監査までやってしまうと、先入観から監査ミスが発生しやすくなってしまいます。
そこで、調剤してから監査に移る前に一呼吸置いて気持ちをリセットしてみましょう。
そうする事で間違いを発見しやすくなります。
そして、ダブルチェックとして投薬時に患者さんと一緒に薬を確認して渡す薬剤師さんもいらっしゃいます。
定期的に来られている患者さんならば、自分が飲んでいる薬の外観が分かっているので、一つずつ見せながら一緒にチェックする事で、間違いを発見しやすくなります。
一人薬剤師である事に理解のある患者さんは多いので、一緒に確認する事を面倒と思う患者さんはあまりいないようです。
他に患者さんが居る場合に待たせてしまう問題もありますが、そういった場合は待たせてしまう事をプレートかなにかに記載し提示しておきましょう。
あと、薬を渡すときは笑顔で渡すのも非常に大事です。
プレッシャーを受けた怖い顔で薬を渡されても、患者さんは良い気分はしませんので。
次に一人薬剤師の方が不満を抱えている事として挙げられるのが、休みにくいという事です。
個人薬局でやられている方は、これに関しては承知の上で開局しているので問題はないでしょうが、チェーン経営の薬局に勤めている薬剤師さんはそうはいきません。
「有給を取りたいけれど、一人薬剤師だから休む事が出来ない。」とおっしゃる一人薬剤師の方は多いです。
しかし、有給休暇は被雇用者に与えられた立派な権利です。
有給休暇を取る事で、一人薬剤師体制による疲れをリフレッシュする事ができるでしょう。
ですから、有給休暇を我慢して使わないというのは精神的にも良くありません。
ストレスを抱えたまま仕事を続けると、ミスを頻発してしまう原因になってしまいます。
しかし、有給を取るにしても取り方には気をつけなければなりません。
病気でもない限りは有休予定日直前の申請は避けるべきでしょう。
一人薬剤師が休むならば、会社が応援に行く人員の補充をしなければなりません。
会社側としても、ヘルプのスケジュール調整や派遣薬剤師の手配などの時間がかかるからです。
そういった事を考慮し、余裕を持って有給の申請を行いましょう。
権利とは言え、自分本位な有給申請は会社にとってもいい顔をされないのは、想像に難くはないのではないでしょうか。
もし、休暇に対して会社が何も応じてくれないのであれば、それは大きな問題です。
ここ最近では、いわゆるブラック企業に対する社会の風当たりも強くなって来ているので、そういった事は滅多にないでしょうが、リフレッシュ休暇を取れない様な環境ならば、最悪の場合は転職を考える必要性があるのかも知れません。
一人薬剤師問題というのは今までずっと論議されてきていますし、これからも続いていくものだと思います。
一人薬剤師は確かに大変ですが、対策を考えて働けば自分がやり易いように業務や仕組みを組み立てることもできます。その点は、メリットとも言えるのではないでしょうか。
しかし、一人薬剤師の苦労や労力に見合う待遇をもらっているかと言われたら、そうでもない場合も多くあります。
そういった意味では、入社前の会社選びというのは非常に大事なのかも知れませんね。
