職業に歴史あり!?薬剤師の歴史トリビア:薬剤師転職navi |
最近は病院や調剤薬局だけでなく、ドラッグストアでも見かけるようになった薬剤師。
今でもたまに町の古くからあるお医者さんに行くと、診察してそのまま薬も出してくれるところもありますが、どうなっているのでしょうか?
いつから分業になったのか?そもそも薬剤師という職業はいつごろからあったのでしょうか?
江戸時代は薬剤師という職業はなく、しかも医師の資格がなくても誰でも望めばすぐに自己申告で医者になれたのです。
しかも聴診器などもなかったので、問診や視診、脈などを測る触診などで判断し、漢方薬を調合し処方していました。
この薬が効くか効かないかで医者の評判となって、医者の人気に直結していたので、言ってみれば“いい薬剤師がいい医者であった”ということになります。
そのため、当時の医者は「薬師(“やくし”でなく“くすし”と読みます)」とも呼ばれていたのです。
医者は患者を招いて診る今のスタイルではなく、患者の家へ出向いて診察するスタイルだったため、普段から家で薬を粉末状にして分けて薬箱に入れておき、それを持って往診に行き、診察後にその患者に合わせた薬を調合して渡していました。
薬の調合こそがその医者の腕の良さのバロメーターだったため、秘伝の薬や門外不出の薬なども多数あったようです。
当時の診察料は薬の代金という意味で「薬代(くすりだい)」や、診察し適した薬を処方してくれたお礼に対する料金ということで「薬礼(やくれい)」と呼ばれていました。
しかし、この薬代はかなり高額だったため、一般の町人などは医者にかかることは少なかったといいます。
今でもまだ医師と薬剤師が未分化の院内薬局がある日本とは違い、ヨーロッパではかなり早くに医師と薬剤師が分業となっていました。
それは、勢力争いが絶えなかった時代、医師を装ったスパイなどに精力剤やただの風邪薬などといわれて渡された薬を飲んで毒殺されるということが多かったためといわれています。
医師が診察して薬を判断し、薬剤師が薬を調合するというようにダブルチェック体制にしたことで安全性を確保しようとしていたようです。
日本の薬剤師の歴史は、1874年に明治政府が医師、薬剤師の教育と免許制度を制定したことが始まりで、これが今の医師法の基になっています。
そして1889年、薬品営業並薬品取扱規則が成立し、「薬剤師」という名称、「薬剤師制度」「薬局制度」が規定されました。
その後「医師法」「歯科医師法」「薬剤師法」「薬事法」 が制定され、1951年「医師法、歯科医師法および薬事法の一部を改正する法律」の制定によって医師の処方せん発行が原則として義務づけられ、1974年、診療報酬改定で、処方せん料が100円から500円に引き上げられたことによって院外処方せんの発行に移行したのです。
ですから調剤薬局の歴史というのはまだ30年ほどなので、意外と浅くてビックリですよね。
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