薬剤師の仕事内容、こんなに職場毎で違うもの?:薬剤師転職navi |
薬剤師の活躍の場は多岐にわたります
薬剤師さんは薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業と様々な場所で活躍されていますよね。
もちろん、その職場毎で仕事内容は違うのが当然ですので、どの職場が良いとか悪いとかを言いたいわけではありません。
しかし、職場毎の仕事内容について知っておくことはとても大事な事だと思います。
今回は、そんな職場毎の仕事内容の違いについてです。
調剤薬局の仕事内容
厚労省の統計によると、薬剤師28万人のうち、約55%の15.3万人の薬剤師の方が調剤薬局に勤められていますが、調剤薬局での仕事はどのような感じなのでしょうか。
調剤薬局の基本の仕事は、患者さんから処方箋を受け取って、調剤をし、調剤した薬や処方内容に問題がないか監査をする。そして、問題がなければ患者さんに投薬する為の服薬指導に出て行くというものですよね。
一日中、ひっきりなしに患者さんが訪れる薬局というのはあまりないでしょうから、病院や診療所が休診している時間帯に空き時間が出来ると思います。その空き時間を使って、約束処方の散薬を予製したり、在宅の患者さんに薬を渡しに行ったり、薬の発注を行ったりと、その他の仕事をされていることが多いようです。
眼科の門前薬局のような処方内容が軽い薬局だと、仕事も楽な事が多いようですが、総合病院の門前のように処方内容が重くなりがちな薬局では、予製や一包化といった仕事も多くなり、仕事内容もハードになる傾向があります。
また、他の勤務先と比べて、患者さんとの接点が一番多いのが調剤薬局かもしれません。
病院の仕事内容
病院薬剤師の場合は、院外処方箋を出さずに院内投薬を行っているのであれば、病棟回りや院内で使う薬の調剤が中心になると思います。薬局ではあまり使わない注射製剤も幅広く扱いますので、調剤薬局では知り得ない知識も習得できます。
そういった注射製剤の混合も行いますので設備的にも調剤薬局より恵まれている事が多いのも病院の特徴です。また、病院内でチームとして動きますので、薬剤師同士だけでなく病院内で働く医師・看護師の方々と連携を取って行かなければなりません。
他医療職の方達と繋がりを作りやすいところは病院薬剤師の魅力かもしれません。
さらに患者さんにも服薬状況を確認したり、入院患者の薬の飲み合わせや食べ物との相互作用についての説明をしたりと、業務の種類も多く多忙になることが多いです。
忙しい事が多いのですが、やりがいのある仕事を求めて病院に行かれる方も多いですね。
ドラッグストアの仕事内容
ドラッグストアの場合は、上の2つと少し異なる点があります。
もちろん、調剤室を有しており処方箋受付を行っているドラッグストアならば、調剤薬局と同じ仕事をする事もありますが、基本はOTCに関する仕事が多くなります。
また、ドラッグストアが薬局や病院と大きく違う点は、処方箋以外を『売る』という行為がある点ではないでしょうか。薬局や病院は、既に疾患にかかっている患者さんが来られますが、ドラッグストアの場合は、そういった方だけでなく、健康維持の為の栄養剤を買いに来たり、常備薬として風邪薬を買いに来たりと様々な方が来られていると思います。
そういう理由から、お客さんの状態やニーズに合わせて、薬以外も含めて色々なものを提案して「売る」という事で新しい商品を手に取ってもらったり、買ってもらったりする必要があります。
ちなみに積極的に「売る商品」というのは、本部などの方針で実は利益の大きいパーソナルブランド(PB)の商品である事が多いのです。会社の方針としてその商品を積極的にお勧めし、定期的に買ってもらえるようにコミュニケーションをする必要があることもあります。そのために、毎月研修として、パーソナルブランド(PB)を買ってもらう為の知識やコミュニケーション術の講習が行われていたりするのです。
季節性のある商品はプレゼンテーションの為にコーナーを作ったりもしますので、そういった商品展開の陳列作業やポップ作りなど、薬局ではあまり行わない作業も発生します。
基本的にレジに立つ事は多くないようですが、人手が足らないと薬剤師もレジ打ちと袋詰め作業をする場合があるのは、知っておかなくてはいけない薬局や病院と大きな違いです。
薬局や病院と比べて、専門的な事だけでなく一般的な仕事も行うのがドラッグストアになります。
製薬企業の仕事内容
製薬企業の場合は、MRと研究職の2つの道が殆どメインだと思います。
MRの場合は、広報活動が中心ですので外回りをして病院や薬局を訪れます。
そこで、医師や薬剤師に新薬の情報提供や緊急安全性情報、薬の適正使用や適正処方などの案内を伝えるのがメインの仕事です。
薬局長や医師とコミュニケーションを柔軟に取らなければいけないので、コミュニケーションや交渉術に長けた人は向いている職場と言えるのかもしれません。
また、そういった方達との付き合いをしなければならない場合もありますので、仕事時間が長くなってしまったり、休日も付き合いに出なければならない事もあります。
研究職の場合は、研究所内での研究が主な仕事になります。
様々な論文を読んだり、会議を開いたりと事務的な作業も多いようです。
専門的知識についての研鑽は欠かせないので、自宅に帰ってからも勉強をしている事も多いようです。臨床試験や学会などで、日本全国あるいは海外に出張に行かなければならない事もあり、休みを思うように取れないのが、現実かもしれません。
その分給与は高いので、高い給与を求めて製薬企業に入る方もいらっしゃいます。
結局、何がお勧めなのか?
このように、職場毎によって仕事内容は大きく変わってきます。
どの職場が良い、悪いというのは一概には言えませんし分かりません。
あなたの性格によっても変わるでしょうから、自分ならこれが出来そう、好きという職場を選んで勤めてみるといいのではないでしょうか。
もし働いてみて違ったと思っても、そこでの経験は必ずプラスになりますし、あなたのキャリアの上積みに役立つものとなるので、ネガティヴになることは一つもありません。
年収の違いを知って、職場を選ぶのも一つの方法ですし、仕事内容の違いを知って職場を選ぶのも一つの方法です。そこに唯一無二の絶対的な正解などありません。
年収の違いについては、こちらの記事が参考になりますので、読んでみて下さい。
『薬剤師の業界別年収(薬局、ドラッグストア、病院)』