薬剤師の業界別年収(薬局、ドラッグストア、病院):薬剤師転職navi |
薬剤師の業界別年収(薬局、ドラッグストア、病院)
薬剤師さんの活躍の場所は、調剤薬局からドラッグストア、病院、はたまた製薬会社などなど幅広い選択肢がありますよね。
それぞれの職場に長所や短所などあるにせよ、どこで働くかというのは個人の価値観によって変わってくると思います。
今回は働く場所を決める上で、職場別の年収を比較し把握することで、一般論としてどこで働くのが一番良いかという判断材料にして頂けたらと思っています。
薬剤師の平均年収とは?
それぞれの職場の年収を比較する前に、薬剤師自体の平均年収がどれくらいあるのかを知っておくべきでしょう。
この平均年収については政府が毎年統計を出していますので、それを見れば知る事が可能です。
政府統計:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020101.do?_toGL08020101_&tstatCode=000001011429
この統計によると、薬剤師の平均月収は37万円強といったところです。
それにボーナスを加味した上で計算される平均年収は、大体530万円くらいになるでしょう。
もちろん、年代別では分かれていないので全員が大体これだけもらっているという訳ではありません。
初任給などは低いですし、あくまで目安として判断して下さい。
不景気だった頃と比べ、少しずつ年収は上がって来ている様ですが、毎年大体500万円超と大きくは変わっていない様ですね。
業界別で年収の違いどれくらいあるのか?
<調剤薬局>
では、業界別の年収について考えてみましょう。
おそらく調剤薬局に勤めておられる薬剤師さんが一番多いとは思いますが、調剤薬局の年収は大体下は400万円から上は650万円程度が相場となっているようです。
平均年収に近い500万円程度が最も多いボリュームゾーンになっているのではないでしょうか。
もちろん、管理薬剤師などのポストにつけば更に上増しする事が可能でしょうし、調剤薬局の場合は個人薬局などのように地方で営業している薬局は報酬が高い場合があります。
地方勤務でも構わないのならば、高めの年収を狙えるのが調剤薬局の良い所かもしれません。
<ドラッグストア>
次にドラッグストアですが、ドラッグストアの年収も大体平均すると500万円くらいになると思います。しかし、調剤薬局と比べ仕事の幅が広い事もあり、役職に就いたりする事で調剤薬局よりも高い年収を得る事が可能です。
大手のドラッグストアだと、調剤薬局より高い年収を提示する事も多くあります。
しかし、地方勤務に関しては地方手当が付くとは言え、地方の調剤薬局ほどの+αは期待しづらいかもしれません。店舗数が多いドラッグストアの場合、ある程度の就業規則や年収テーブルが決まってしまっているので、全国どこで働いても、年収に差がつきにくい業界とも言えるかもしれません。
<病院>
そして病院薬剤師です。
今までの2種と違って、病院薬剤師の平均的な年収は50~100万円程度低いことが多いです。
その理由は、病院の形態によります。
国立病院の薬剤師となる場合、病院薬剤師は公務員扱いとなり、国家公務員の俸給表によって年収が一律決められているからです。この設定年収が他の業種と比べても渋いので、病院薬剤師は年収が低くなっています。
しかし、国家公務員は確実に昇給していくので、伸びしろが多く、長く勤める事ができるならば、薬局やドラッグストアの年収を上回る事も可能になってくるでしょう。もちろん、薬剤師試験の他に公務員試験にもパスしないといけませんが、安定した給料が欲しいのならば、公務員薬剤師の道も良いキャリアだと思われます。
また、国立病院ではなく民間病院の病院薬剤師として働く場合。
この場合は、民間病院の方で給与を決定していますので国立病院より良い条件を提示してくる事が多いでしょう。しかし、民間の病院の場合は安定した昇給が確約されていませんので、最初は良くても後が伸びないなんて場合もあるようです。また、薬局やドラッグストアに比べて、調剤報酬の加点が低く設定されているので、未だにコストセンターとした見方をされることもあり、そのことで年収の評価が低く見積もられることが起きてしまっているようです。
しかし、経験則からですが、病院勤務を希望される薬剤師さん達の多くは、あまり年収を気にしない事が多いのではないでしょうか?その理由は、最先端の臨床医療の現場に立ち会えたり、入院患者の方々とかなり近い位置で触れ合えるという他にはないメリットがあるからでしょう。医師とのコミュニケーションも計りやすく、後々のキャリアに生かせる部分が多くあるからだと思います。
年収か、仕事のやりがいか、環境か・・・
以上、調剤薬局・ドラッグストア・病院と主な薬剤師さんの勤務先の種類別の年収についてです。年収はあくまでどこで働くかの目安となる指標ですが、それだけでは決められない場合の方が多いかもしれません。
病院のように年収が低くてもやりがいを感じられるところがあるでしょうし、年収が高くても仕事が大変なところだって勿論あります。
転職の可否など、あなたが置かれている環境でも年収に差がつく場合もあります。
あなたがどの程度の年収が欲しいかというのにもよりますが、年収だけで職場を決める事はできないというのも事実なのかもしれません。
そうなると、働くことの質や量と、対価(報酬)の折り合いが最も重要になってくると思います。転職先の仕事の質や量については、外からは分からないことも多いので、注意してくださいね。