| 研究者を諦めて、現場の薬剤師として働くには？：薬剤師転職navi |
薬剤師の研究職は大変な職業なのか？
研究職には様々な種類のものがありますが、世の中の人が研究者に持っているイメージというのは、頭が良いだとか凄いとか、給料高そうとかのプラスのイメージが多いのではないでしょうか。
少し前にはリケジョなどという言葉も飛び出し、研究者の女性にもスポットが当たるようにもなりました。
そんな華々しい研究者ですが、実際に研究者の方に話を聞いてみると、現場はかなりハードだったりするようです。
毎日、研究で残業は当たり前、海外の支社ともやり取りするので英会話が必須で、仕事が終われば英会話スクールに行かなければならない。出張も多いし、家に帰っても論文を読んだりと気が休まらない…などなど。
いくら給与が高くても、家に帰っても気を休める時間が取れないなんてつらいと思いませんか。
実際に、研究職がつらくなって調剤薬局や病院に新天地を求めて、転職される方も実は多くいらっしゃるのです。
そんな研究職から調剤薬局や病院で働く、いわゆる現場薬剤師になる場合、何か注意しなければならない事はあるのでしょうか。
まず、研究者として働いてきた薬剤師さんの問題点は、自分の分野に特化してしまっているという事が言えるのではないでしょうか。
ある特定の分野に関しての知識はあまりある程あるけれど、分野ががらりと変わってしまえばさほどでもないというように。使わない知識というのは、知らぬ間にどんどん風化していってしまうとも言いますし。
研究者から調剤薬局あるいは病院に転職しようとしている方に話を聞くと、自分が関わった薬に関しては色々と話せるけれど、知らない薬に関しては全く分からないなんていう方が結構いらっしゃいます。（これはこれでしょうがないことだとは思うのですが。。）
つまり、同じ薬剤師という職業なのに、実際は全く違う職業であるというように考えたほうがよいのかもしれません。ですので、まずはそういった事を認識するのが大事になってくると思います。言葉を選ばずに言えば、研究者としてのキャリアが何年、何十年あろうと、現場薬剤師としては、経験的に新米である事に何ら変わりはありません。
その事が理解できなければ、現場に出ても上手くいかず、一人で空回り、薬局の職員との温度差が生まれてしまう事態になりかねないのではないでしょうか。
会社によっては研修制度があります。
製薬会社の薬剤師さんは、研究職とMRとして活動している方といらっしゃいます。
研究職の方は、研究が中心になるでしょうから学会や臨床試験などの予定がない限りは、研究所内で実験に没頭している事が多いと思います。
では、そんな研究職からの転職の場合、どういった薬局・病院を選んでいけば良いのでしょうか。
昨今では、多くの会社が入社後の薬剤師研修制度を設けるようになってきています。
ママさん薬剤師の復帰など、ブランクがあっても安心して入社してもらえるよう、知識の再確認の為に研修をしてもらう等の目的です。
また患者さんとのコミュニケーションの取り方を学ぶものや、礼儀作法のようなマナー研修といったものを行っている会社もあるようです。
そういった研修制度が充実している会社を選んで転職するのが、良いのではないかと私は思っています。
もちろん絶対そういった会社じゃないとダメという訳ではないですが、研修制度を組んでいる会社は、研修のカリキュラムを年々熟練させているものです。
そういったノウハウの積み重ねは、業務において役に立つものですし、研修がない会社よりある会社の方が成長という意味では有利ではないのかなと思います。
また、薬の知識についてもそうですが、現場で働かないと実際に分からないもののひとつに保険調剤というものがあるのではないでしょうか。
調剤報酬の点数の取り方や改定のポイントなどは、個人でまとめるには結構時間がかかるものでしょう。
研修をしっかり行っている会社は、保険調剤に関してもしっかりフォローしてくれる事と思います。
未経験の現場に踏み込むのは勇気がいる事と思いますが、こうやって会社が後押ししてくれるような仕組みを持っていれば、一歩を踏み出しやすくなるので、使わない手はないのではないでしょうか。
また、もしあなたが、将来的に独立を目指しているのならば、他業種からの開業という点はこちらも参考になると思います。合わせて読んでみて下さい。
『製薬で働く薬局未経験の薬剤師が、薬局開業するとは？』
