| 医療事務によるピッキング…：薬剤師転職navi |
よく論じられる事も多い内容ですが、医療事務が薬剤師に代わって薬のピッキングを行っているという話。
薬剤師会の見解では医療事務のピッキングを認めていません。
しかし、「それは分かっているけれど、人手不足で仕事が回らなく患者さんを待たせてしまうのが嫌。」という理由から仕方なくピッキングを手伝ってもらっている薬局もあるのではないでしょうか。
患者さんにとってみれば、人手不足は薬局側の問題で自分には関係ないですからね。
早く薬を出して欲しいと思っている患者さんが多いから、そのニーズを満たす為に調剤してもらう事が多いと思います。
そして、更にひどくなると監査までしてもらう場合も…？
監査に関しては、さすがにやってはダメではないかと思いますが。
こういう事態が起こっているのは、薬局の薬剤師数が足りていないのが原因です。
その理由としては、経営者側による人件費の削減であったり地方薬局ならではの薬剤師不足だったりするのでしょう。
悪意を持ってピッキングをしている薬局は殆どないと思います。
そういう理由があってかどうか分かりませんが、違法であるにも関わらずグレーの状態でこの問題はこれまで放置され続けています。
しかし、医療事務によるピッキングには問題があります。
それは何かと言うと、薬剤師によるチェックが漏れやすくなってしまうという事。
調剤・監査・投薬という薬局業務の流れの中で、薬剤師がそれぞれの項目でダブルチェック・トリプルチェックと何重にも確認を行い、最終的に患者さんに薬を渡します。
このチェックでは、薬剤師しか分からない併用禁忌薬・重複投薬の知識、今までの経験などがフィルターとして機能しています。
そこを知識のない医療事務が行う事で、フィルター機能が低下してしまうのです。
その結果、調剤事故・過誤等の問題に発展する事もあるかも知れません。
では、そういった状態が日常化してしまっている時にはどうしたらいいのでしょうか？
まず、そうならざるを得ない原因を考えます。
多くは、患者さんの待ち時間を気にしての事でしょう。
ならば、患者さんからの理解を得る方法はないか考えてみましょう。
患者さんが待たされて怒るのは、何の知らせもなく待たされてしまうのが原因である事が殆どです。訳も分からず貴重な時間を潰されるのって誰でも嫌ですよね？
患者さんは待つ理由が欲しいのです。
人手不足ならそうと、きちんと理由を説明しておけば憤慨させてしまう事は実際少ないのです。
そういった事情の説明ならば、薬剤師ではなく医療事務に任せても問題ないはずです。
その手間を惜しむからクレームに繋がる事が多いのです。
医療事務のピッキングを放置して、過誤が起こしてしまってからでは取り返しがつきません。
そういった状態に陥っているのは何故か？その原因は何か？
その原因を解決するにはどうしたらいいのか？
その事について一度考えてみましょう。
