| 病院薬剤師が悩む3つの問題点と解決方法：薬剤師転職navi |
病院薬剤師は人気もあり、仕事もやりがいがあるが…
病院薬剤師というのは、扱う仕事も幅広く、豊富な知識を要求されますよね。それ故に、病院薬剤師として働く事は大きなキャリアアップに繋がりますし、仕事にやりがいがあると頑張って働いてらっしゃる薬剤師さんが多くいらっしゃいます。
しかし、仕事内容が豊富という事は、仕事が忙しく大変であるという事でもあるのではないでしょうか。
実際に病院薬剤師の方で、あまりに仕事が忙しくきつくなってしまったので、リタイア（退職や転職）するという方も多くいらっしゃいます。
では、病院薬剤師として働いていたが、仕事に行き詰まってしまった、きつくなってしまった場合には、その先にどういった道を選べば良いでしょうか。
まず、自分のきつい原因を掘り下げる
人によって行き詰まる理由は様々です。
まずは、あなたが病院薬剤師として働いている中で、何に対して行き詰まっているのか、それを考える必要があります。そして、その問題点について、少し時間を作って正面から向き合い突き詰めて考えて行くことが大事です。
これまで多くの薬剤師さんから相談を受けてきて、病院薬剤師として働く上できついと思ってしまうのは、1.給料が安い、2．仕事が忙しい、3.チーム間・薬剤師間での人間関係の問題が、主な3つの理由になるのではないかと思います。
様々なケースが考えられるので、それぞれ細かいことにはここでは言及できませんが、それら3つの主な原因について、そうなってしまう背景と解決策を考えてみたいと思います。
1．安い給料を高くしたいなら
病院薬剤師は、一般的な調剤薬局の薬剤師よりも給与が少ない事が多いものです。
それも仕事内容が大変な場合が多いのにも関わらずにです。
やりがいがあるのは良いけれど、報酬もしっかり欲しいという方にとっては給与が安い・上がらないというのは、とてもツラい環境と思える問題ですよね。特に若いときにはよくても将来に結婚や育児などお金がどうしてもかかるイベントもあるでしょうから、その問題から簡単に目を背けるわけにいきませんよね。
特に民間の病院では、給与が上がらなかったり、上がっても僅かな事が多く、給与面では割が合わないなんて事も多く、今後も簡単に解決される問題ではないようです。それは、上層部が、院外の調剤薬局と比べて、院内薬局をコストセンターと考える間違った風習があり、それが簡単にはぬぐえないのが原因だと思います。
ですので、もし仕事のやりがいよりも給与面を重視したいのであれば、自分のフェーズに合わせて、病院薬剤師という選択肢を諦めるのも一つの選択肢なのかもしれません。
また、調剤薬局でも病院並に設備の整った薬局や在宅等の仕事が豊富な薬局もありますし、そういったところに転職すれば、病院薬剤師の頃と同じ様な、やりがいのある仕事を続けられるのではないでしょうか。
もし、どうしても病院薬剤師を続けたいのならば、公務員薬剤師になる選択肢も一つとしてオススメします。国立病院などの公務員薬剤師は、最初は給料が低くても最終的には大きく伸びていきます。公務員試験をパスしなければならないというもう一つのハードルはありますが、両立する為にはそういった努力が必要なときもあるかもしれません。
2．仕事がキツいのをどうにかしたいなら
病院薬剤師のやらなければいけない仕事は数多くありますので、どうしても大きなマンパワーが要求されます。ですから、あまりの忙しさに目が回ってしまうような薬剤師さんもいらっしゃるようです。病院側も薬剤師の人数をギリギリでやっている事も多く、一人にかかる負担が大きくなってしまうようです。なかには有給も思うように取れない事もあるようです。
キツい仕事の毎日がつらくなってきた場合は、一度直接の上司か病院側の責任ある立場の人と人員補充について、協議や相談をするべきなのでしょうが、前述の通りなかなか人員を簡単に増やしてくれる事がないのが現実かもしれません。
そうなると、良いか悪いかは別として、多くの病院薬剤師が現実的な選択肢として、転職が頭をよぎり始めるタイミングになっているようです。しかし、現実的には転職に大きな労力が伴いますので、その事を考えて次の一歩を踏み出せないケースが多いのかもしれません。
ちなみにケースとしては、規模の小さい病院に職場を変えたり、あるいは調剤薬局の薬剤師に転向したりと様々なケースがあります。病院薬剤師を続けたいのならば、勤める病院を変えるという事も一つの選択肢かもしれませんね。大きな病院だと仕事量もその分増えてきますので、もし現在の職場での仕事がきついのならば、小さな病院に職場を移すのも有効な手段かもしれません。
一つだけネックとして考えられることは、病院の中途薬剤師の募集があまりないことです。さらに現職スタッフへの配慮からか、あまり求人を積極的に公開していることも多くありません。ですので、手前味噌ですがこういう時には転職エージェントを上手く使って、コンフィデンシャルで求人の有無や条件を確認してもらうのがベターかもしれません。
3．人間関係がツラいなら
病院ではチーム医療が基本となりますので、薬剤師同士はもちろん、看護師や医師との連携が非常に重要になってきます。それだけ関係する人間が多いと、どうしても人間関係が複雑になりがちです。実際に、医師とそりが合わない、上司と意見が食い違うなんて日常茶飯事に起こってしまいます。
仕事を続ける上で、人間関係というのは最も重要な要素の1つですから、これが破綻してしまっていては、仕事を続けるモチベーションが下がってしまいかねません。
人間関係の問題というのは、実は最も解決が難しいものです。
語弊を受けないようにお伝えしたいのですが、人間関係の問題を解決する手段として、最も多く取られているのが、実は転職によるリセットなのです。これは医療従事者だけではありません。普通のサラリーマンでも同じことです。
私たちは転職エージェントですので、むやみやたらに転職を勧めるような誤解を受けることもあるのですが、これは別のケースで考えてみた場合、実はシンプルなのです。ウマが合わない友達や彼氏・彼女と継続的に人間関係で問題を抱え悩んでいる場合、解決策としてその後のお付き合いを控えるようにしますよね。人間関係をリセットするのに転職もこれと同じです。
あなたが、人間関係を長く悩んでいる時に、何もあなたがそれを我慢し頑張って、その後もその職場で働き続ける必要はないのです。病院は1万件弱、薬局は5万件強、ドラッグストアでも2万件前後あります。あなただけが無理をする必要はまったくないのです。
もしあなたもそんな人間関係で悩んでいて、どうしようもないと感じているのならば、転職するかは一旦おいておいてでも、「転職活動」の第一歩を踏み出していることは、お勧めですし、解決策の一つの方法としてとても有効です。
ちなみに転職活動をしてみて、しっくりこなければ、転職をしない選択をとればいいだけです。
一番大事なことは、解決に向けて動き出し、あなたが主導権をもった選択肢を持つことです。
病院薬剤師として働いて行く上で壁になりやすい3つの問題について考えてみました。
病院薬剤師を続けたいのならば、問題の根源となっている部分を解決しなければなりません。
それが難しければ、働く病院を変えて病院薬剤師を続ける方が良いかもしれません。
あなたが働ける病院や職場は一つだけではありません。
また、病院薬剤師にこだわりがなければ、調剤薬局・ドラッグストア等へ進む道はさらに広がります。病院薬剤師を辞めてしまったとしても、その経験は無駄になる事はもちろんありませんし、むしろその知識が新しい職場で大いに役に立つ事は間違いありません。
他の職場の仕事がどんなものか気になるのでしたら、こちらの記事を参照して下さい。
『薬剤師の仕事内容、こんなに職場毎で違うもの？』
