| 初めてのドラッグ勤務…：薬剤師転職navi |
薬剤師の就職・転職先の選択肢は様々なものがあります。
調剤薬局・病院・ドラッグストア・製薬会社・医薬品卸会社etc…
どこに就職するかは個人の価値観や経験、求めるものなどによって大きく異なりますが、今回は普段はあまりフォーカスが当たりづらいドラッグストアへの転職にスポットを当ててみようと思います。
調剤薬局だと、医師の処方箋に従い調剤して薬を渡します。
そこには処方チェックという大事な役割がありますが、余程でない限りは、疑義照会なども発生せず処方箋を調剤して患者さんにお薬を渡すことがメインになります。
薬の知識が豊富なだけに、風邪のような簡単な症状ならば薬剤師自身でも処方できそうだと思ったことはありませんか？
ドラッグストアでは、お客さんの症状を伺って薬剤師自身で成分を見てお薬を販売する事ができるようになりました。
そういった事から、薬剤師としてもっと主体性を発揮したいと思って、ドラッグストアへ転職する方が増えてきたように感じています。（もちろん理由はこれだけではありませんが。）
確かに、ドラッグストアだと商品の調合量などを見てお客さんに合わせた薬を売る事が可能ですし、それによってお客さんの役に立てていると充足感を得る事ができるでしょう。
しかし、薬局で働くこととは違う問題があるのもまた現実なのです。
それは、商品販売量のノルマについてです
大手ドラッグストアチェーンの多くは、PB（プライベートブランド）商品というものを抱えています。
PB商品とは、メジャーブランドの医薬品とほぼ同処方だが販売価格が安い、メジャーブランドの医薬品の処方にプラスαの処方が加えられているなどといったようなドラッグストアオリジナルの医薬品の事です。
そして、このPB商品はメジャーブランドの商品を販売した時よりも利益率が高いのです。
ですから、会社としてはこのPB商品が売れた方が儲かるのです。
大手のドラッグストアに就職すると、このPB商品を売る様に教育される事が殆どです。
そして、月毎に売りたいPB商品を決め、その販売数のノルマを課すのです。
ノルマを未達成でも問題になる事はあまりありませんが、営業力がないと本部には判断されてしまいます。
よって、賛否両論はもちろんですが、売れる人と売れない人で大きく評価が変わってきてしまうのです。
このように、薬剤師の知識だけでなくモノを売るという営業力が必要になってきます。
トークセンスだったり、薬の棚前で考えているお客さんには物怖じせずに声かけをしていくコミュニケーション力が大事だったりするのです。
お客さんの方から、薬剤師の方に声をかけてくれる事は実際には多いとは言えないのです。
あなたが知らない相手と積極的にコミュニケーションを取るのが苦手ならば、ドラッグストアでの仕事は少し苦になる可能性があるかも知れないという事を知っておく必要があるかもしれませんね。
次に、ドラッグストアでの仕事内容についてです。
薬剤師なので薬を相談販売するのが仕事ですが、それ以外にも仕事があります。
それは、商品の仕入れと品出し陳列の作業です。
ドラッグストアには、一般社員もいるので彼らも品出し等をやってくれますが、彼らだけでは全ての商品を品出ししていくのはリソースがなかなか足りません。
ドラッグストアは薬だけでなく、雑貨や食料品なども取り扱っていて、膨大な種類の商品の陳列作業が必要になります。これは、ドラッグストアの宿命なので、ある程度はしょうがないものです。
また、商品は朝に納品されるので、開店前までに品出しを完了させておかなければならないなんてこともあります。一般社員は医薬品以外の雑貨の品出しを担当し、薬剤師側は医薬品の品出しを担当する事が多いようです。その際、医薬品の発注業務も薬剤師側が受け持つ事が多くなります。
薬剤師だからといって、お客さんと話して薬を販売するだけで良いという訳ではなく、薬剤師が扱う領域の商品は、薬剤師自身がしっかり管理しておかなければならないのです。
薬が足らなくなったら、発注をかけるというようにしなければなりません。
最近ではPOSレジを扱っている店舗が殆どなので、最低発注点と呼ばれる数に商品が減ったら自動で発注がかかるシステムになっていますが、時季によって薬の販売量は変わりますから、毎日チェックはしなければいけないでしょう。
こういった管理に関しては、好きな人も多いかも知れないですし、やってみると意外と楽しいなんて方もいらっしゃいます。
しかし、面倒くさいと思う人もいますので、商品管理が嫌いならばドラッグストアは向いていないかも知れません。
また、ドラッグストアは、店舗に配置している薬剤師の人数が少ない事が殆どです。
それ故に、配属になった場合には医薬品部門の責任者的なポジションになることが多いです。
責任感を持ち主体性を持って働きたいと強く思っているのならば、ドラッグストアに転職するのも良いかも知れませんね。
コミュニケーション能力が高い人は、非常に向いている転職先だと思います。
また、あなたがもし将来に独立して薬局開局をしたいと思っているなら、薬についてだけではなく、店舗マネジメントや接客なども学べますので、一つのキャリア・経験として、とても有効な選択肢だと思います。
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最後にドラッグストアはOTC販売＋調剤を学べるとなっていますが、配属先によっては調剤室がなくOTC販売のみの店舗もあるので、その点は特に注意した方が良いかもしれません。
