2015.1.22(thu)
どうも。三好です。
2015年の通常国会で大きな話題になっている一つに労働基準法の改正がありますね。
争点になっているのは『働いた時間ではなく、成果で報酬を決める新しい労働時間制度』いわゆる『ホワイトカラー・エグゼンプション』の導入と『有給休暇の義務化』の2点です。
今回は、このホワイトカラー・エグゼンプション制度についてお話します。
まだ、現時点では国会も始まっていないので、あくまでも『改正案』での話になりますし、法案が通るのかも分からないという事を念頭にお読みください。
まず、残業代について皆さんはどのくらい知っていらっしゃいますか?
単に『25%割増で支給される』くらいに考えている人もいらっしゃると思いますので、残業代について先に説明致します。
残業とは、労働契約で決められた労働時間(所定労働時間)を超えて労働した時間の事です。それとは別に法律で決められている『法定労働時間』があります。ここだけチョットややこしいので混同しないように気を付けてください。
『法定労働時間』は労働基準法で定められた、1日8時間・週40時間を超えて働いた場合、割増で残業代を支払う義務が会社にはあります。
とは言うものの皆さんの多くは、1日9時間勤務の日もあったり6時間勤務の日もある『変形労働時間制』で働かれていると思います。この場合は計算が複雑になり長くなってしまうので、今回は割愛させて下さい。『変形労働時間制』での残業代の計算の仕方は近いうちにお話し致します。
さて、『所定労働時間』と『法定労働時間』の関係について分かり易い例を挙げて説明します。(法定労働時間を1日8時間・週40時間とします)
所定労働時間が9:00~17:00で9:00~23:00まで勤務した。
この場合、17:00~18:00の1時間については1日8時間の法定内残業となり、残業代は支払われますが25%割増はしなくても良い残業代です。(たまに25%割増で支給している会社もあります)
18:00~22:00の4時間については法定時間外となりますので、時間外手当として25%割増の賃金が支給されます。
22:00~23:00の1時間は深夜手当が25%足され50%割増の賃金となります。
そして、月の時間外残業が60時間を超えた場合50%の割増賃金となります。(こちらに関しては、現在は大企業のみの適用となっており、中小企業は猶予期間として適用されていません。ちなみに中小企業とは薬局の場合、資本金が5,000万円以下で常時雇用する従業員数が50人以下の会社です)
他にも割増になる時間外労働に関して表に以下の表にまとめました。
種類 | 割増率 | 備考 |
---|---|---|
時間外労働 | 25%以上 | 1日8時間を超えた労働から適用 |
50%以上 | 1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合 | |
深夜労働 | 25%以上 | 22:00~5:00 |
法定外休日労働 | 25%以上 | 会社によって法定休日を定めているので、 一概には言えません。 |
法定休日労働 | 35%以上 | |
休日+時間外労働 | 25% or 35%以上 | 休日労働は時間外労働と考えられ、 休日労働で8時間を超えても25%加算されません |
時間外+深夜労働 | 50% 以上 | 時間外25% + 深夜25% |
休日+深夜労働 | 50% or 60%以上 | 休日25% or 35% + 深夜25% |
以上が残業の簡単な説明となります。