薬剤師のサービス残業(薬歴入力等)が…:薬剤師転職navi |
サービス残業を避けるにはどうすればいいのか?
会社に勤めている以上、残業が発生した場合にはこれに応じなければいけません。もちろんパート薬剤師や派遣薬剤師のように非正規社員の場合はこの限りではないのですが。
しかし、残業が発生した場合は、当然それに伴う賃金を支払われなければならないのですが、残業代を支払わずサービス残業を強要するブラックな会社もまだまだ存在しています。「どこの会社も少しくらいサービス残業あるでしょ?」と思っている方もいらっしゃいますが、あまり良くないケースですと、業務の一環をそもそも業務でないように認識させて、サービス残業を強いている会社もあるのです。
それにより、サービス残業と気づかないまま働かされているというケースもある訳です。実際に、薬剤師はどういった業務をサービス残業として行なわされているのか、これまでに見てきた2つケースを紹介していきます。
朝の掃除や閉店後の片付けは、業務なのか?
あなたの薬局では、薬局の掃除や片付けなどはどういった扱いになっていますか?
ちゃんと業務として扱われているでしょうか?
例えば「明日はあなたが掃除当番だから、開局から30分は早く来て掃除するように。」と言われている場合、掃除に当てられる30分間は業務時間として正しく扱われるのでしょうか?朝30分早く出勤し掃除をして、その後通常通りに働いき就業時間に終わったとしても、掃除のために早く来た30分の時間は残業としてみなされなくてはなりません。(業務として30分早く掃除の為に出勤しているので。)
その場合の残業の支払いは正しく行われているでしょうか?
または、労働時間の調整で相殺してもらえているでしょうか?
ちゃんとした会社であれば、掃除や片付けによる残業にも残業代が出たり、掃除で早く来る分、帰りもその分だけ早く帰れたりするものです。あなたが自主的にやっているのではなく、会社の指示、命令としてやっているのであれば、それは業務になることをしっかり知っておいてください。この場合、会社の「指示、命令」というのが重要です。
このケースで、気づかないままに掃除によるサービス残業をさせられている薬剤師さんは実は多くいらっしゃいます。また、「掃除くらい別にいいんじゃないの?」という考えの方が多かったり、「会社の決まりだし、そういうものでしょう。」という方がいたりもしますが、そういった認識はサービス残業を増長させているかも知れませんので、気を付けて下さいね。
もちろん、あなたが自主的に掃除をする為に早く出社しているのであれば、業務時間には当たりませんので、当然サービス残業にはなりません。掃除を業務時間としてみなすには、あくまで会社によって指示、命令を受けて行っている必要があるので、その点は注意して下さい。
忙しくて、薬歴入力が業務時間に終わらなかったら
患者さんに服薬指導をした後は、薬歴にその記録を残しますよね。
しかし、忙しい薬局では落ち着いて薬歴を入力する時間はなかなか無いのではないかと思います。そうなると、混む時間を避け患者さんの波が引いてからまとめて薬歴入力していく事が多いのではないでしょうか。
しかし、患者さんが大勢来られる薬局で働いている薬剤師さんや電子薬歴の入力があまり得意ではない薬剤師さんの場合は、薬歴入力を勤務時間内に終わらせることはなかなか難しいものです。そんな時に、薬局長などにこんな心ない言葉を言われていたりしていませんか?
「薬歴が終わらないのは、あなたが薬歴入力遅いのが悪いよ。」
「残業代は止むを得ずに発生した仕事に対してだけ発生するから、実力不足で発生した仕事には残業代なんか出る訳ないじゃない!」
私がブラック薬局だなと思う薬局の場合、こういった事を間違った常識として言ってきます。薬歴入力が残ってしまった場合などは、まずタイムカードを切らせてから処理をさせるという事を常用的にやっているようなのです。そういった薬局は大抵、人件費軽減のため処方箋枚数に対する薬剤師数を限界まで絞っているものですよね。薬剤師数も足りないから社員同士でのフォローもできず、薬歴が毎日毎日残ってしまいます。そして、閉局後も薬局内の電気がなかなか消えないという事態になってしまっているのです。
・あなたの薬局はどうでしょうか?
・薬歴は時間通りに処理する余裕はありますか?
・もし時間的に難しい場合、他の薬剤師さんと助け合って業務時間内に入力していますか?
・あるいはちゃんとした残業という扱いを受けて、薬歴入力できていますか?
一人薬剤師の薬局も多いでしょうから、薬歴入力のサービス残業で悩んでいる薬剤師さんは多くいます。一人薬剤師の場合ですと、助けてくれる他の薬剤師さんもいないですから、一人薬剤師を選ぶ場合には、こういったデメリットがあることもしっかりと理解した上で決めるようにしてくださいね。
もし、サービス残業が酷いのなら
サービス残業を強制するのは立派な労働基準法違反です。
そして、サービス残業をする側も実は違反者となってしまいます。業務として扱われる仕事に対しては必ず賃金が発生するという事を、しっかり知ってください。そして必要あれば、正しい主張するように心掛けて下さい。(一方で、それが簡単ではないことも当然理解しているつもりでいます。)
賃金支払いにもし雇用主が応じないのであれば、労働基準監督署に報告するようにしてください。違反である以上、労働基準監督署に駆け込めば必ず対応してくれます。最近では賃金未払いの内部告発が、あちらこちらで起こったりしていますが、なかなか告発までする勇気が持てない方もいらっしゃるかも知れません。
そこまではしたくないというのであれば、転職して働く環境を変える方法もあります。しかし、転職をしても転職先がまた同じような薬局だったという可能性もゼロではありません。
それを上手く回避する為に、転職コンサルタントを利用する事をおすすめします。転職コンサルタントは、その名の通り転職に関するプロなので、契約の際に気をつけるべきポイントを心得ています。
どういった会社がブラックなのか見分けることもできますしし、労働契約を結ぶ際にどうやればブラック企業に引っかからずに済むかなどのサポートも当然してくれます。そうする事で、サービス残業を日常的に行われている薬局を回避することができるのです。薬剤師という価値ある資格をもって働き続けるなら、働いたら働いた分だけ給料がもらえる薬局で働きたいものですよね。