薬局の将来性を見抜く5つのチェックポイント:薬剤師転職navi |
薬局の将来性を考えた事はありますか?
あなたは、薬剤師として勤めている調剤薬局の将来性について考えた事はあるでしょうか?
実際のところ、一部の薬剤師さんは
「あまり考えた事はない。」
「とりあえず不自由無く働けているから問題ないし、考えていない。」
という風に、あまり真剣に考えた事がないようです。
しかし、将来性というものはこれから先も働き続けるならば考えなければならないものです。
将来性のない会社で働き続けていても、薬剤師としてのキャリアアップはできず、あなたが目指す将来の薬剤師像から遠ざかってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
そこで今回は、調剤薬局の将来性を見極める為に必要なチェックポイントをいくつか考えてみました。これを参考に現在働いている調剤薬局、あるいはこれから転職しようとしている調剤薬局の将来性を考える為のヒントにして頂ければ幸いです。
1.経営者の資質
調剤薬局を運営する経営者。
その経営者の経営理念や考え方、振る舞いなどによって会社の将来性というものを推測する事ができるものです。調剤薬局は、処方箋が回って来ないと収入は得られません。つまり患者さんにどれだけ来てもらうか、というのがとても大事になってきます。
調剤薬局は立地である程度有利に経営する事ができますが、患者対応によってその部分をカバーして行く事は十分可能です。患者さんの欲しているものを満たしてあげられるか、そしてその欲求に対する行動を経営者は起こそうとしているのか。調剤薬局の業績を分析して、どこに問題があるかを常に冷静に判断ができる。問題解決の為に問題の特定とその改善案が浮かぶか等、経営者の資質が問われる場面は数多くあるものです。
調剤薬局のホームページを見てみたり、経営者と実際話してみたりすると、会社の将来性が分かるかも一つの参考情報になるものです。資質の高い経営者は、今後のビジョンをしっかり描いており、どうしていく予定なのか、何が必要なのかを語ってくれます。
もし、あなたが、「うちの薬局、将来大丈夫かな?」と思うことがあるなら、できるだけ積極的に、そして継続的に経営者とコミュニケーションをする機会を設けることをお勧めします。もちろん理想論だということは分かっているつもりですが、それでも意識的に行動するかどうかで大きな違いをもたらすものです。
2.薬剤師のES
ESというのは、Employee Satisfactionの略で、「従業員満足度」のことを意味します。
調剤薬局で働いている薬剤師さんが、どれだけその調剤薬局に満足しているかという目安ですね。このESが高い調剤薬局は、将来性が高い調剤薬局であることと非常に相関性が高いです。
経営者の経営理念に同調する薬剤師さんが多いので、調剤薬局が目指す目標に突き進んでいく事が出来ると考える事ができます。また、ESが高い事で離職率も低くなります。離職率が低ければ、調剤薬局で働いている薬剤師さんの熟練度も経験を蓄積する事で高くなっていきます。
熟練度の高い薬剤師さんは、調剤技術だけでなく患者さんへの対応も優れているので、ひいては患者さんの調剤薬局に対する満足度が高くなっていきます。結果的に調剤薬局の評判も上がり、経営も順調に進むようになります。
このように、ESが高い調剤薬局は将来性が高いと判断する為の指標となるのです。
また、私が見てきた多くの薬局でも、同じ見解です。働いている薬剤師さんが、イキイキしている薬局は、長い目でみて地に足がついた、しっかりとした成長をされることが多いです。
3.収益の安定性
現実的な話ではありますが、もちろん調剤薬局の収益というのは大事なポイントです。
いくら高尚な経営理念を経営者が掲げていようとも、結果が伴っていなければそれは全くの無意味と言えるでしょう。収益が安定している、伸びている調剤薬局は結果を出しているので、スタッフへも利益を還元できますし、また将来への投資もできるので、店舗拡大にも力が入れやすく、結果として将来性が高い調剤薬局と判断できます。
収益がしっかりしていると目標への投資がその分も増え、成長力も高くなります。
調剤薬局の将来性を見極める為のポイントとして、もしその情報の見ることができるのであれば、気になる調剤薬局の財務状況というのは調べておいた方が良いです。(基本的には、財務状況が見れるのは、上場企業だけになってしまうのですが。)
4.ユニークなアイデア
調剤薬局は様々な場所で見かけるように、数としては沢山存在しています。コンビニよりも多いという話をすると、驚かれる薬剤師さんもたまにいらっしゃいます。そんな中で成長して行くには、他の真似をしていてもダメな事が多いです。他の調剤薬局にはない尖った何かを持っている調剤薬局というのは、成長力が期待できます。
その調剤薬局でしか提供できないサービスが、独自の強みとなりそれが収益に影響していく事が多いからです。ホームページがあれば、どういった事をしているのか、独自のサービスを提供しているのかどうか調べてみたり、実際に経営者に話を聞いてみたりするのがオススメです。但し、たまにユニークさを追求するあまり、患者さん、お客さんが誰も付いてきていないということもあるので、その点だけは注意して下さいね。
5.過去の不正、問題
これも当然の話かも知れませんが、過去に不正を働いている、何か問題を起こしている会社は将来性に疑問が浮かびます。昨今では、ブラック経営を行っていた企業が報道によって明るみになる事が増えました。たとえ会社の利益が出ようとも、社員を道具のように扱っているような会社では働くべきではありません。
こういった会社で働いてしまうと、後々あなた自身が問題に巻き込まれてしまう可能性も出てくるでしょう。一度問題を起こした会社は、得てして過ちを繰り返してしまう事が多いものです。
今は色々なことがネットで検索できる時代ですので、気になる調剤薬局が過去に問題を起こしていないかというチェックは必須です。逆に良い評価が見つかったりしたらその調剤薬局の将来性にプラスのポイントとなるで、過去についても調べて損することは何もありません。
あとは、あなたの将来性次第
ここまで調剤薬局の将来性だけ考えてきましたが、勤める調剤薬局の将来性が高ければ、あなたの薬剤師としての将来性は高くなるのでしょうか?
答えは、残念ながらNoです。
いくら調剤薬局の将来性が高くても、その経営理念とあなたが目指している薬剤師像とのミスマッチがあれば、あなたの将来性が高くなる事はありません。ミスマッチが生じてしまえば、仕事に対する意欲も低くなってしまいます。仕事に対する熱も冷めてしまうので、経営者からの評価も上がらず昇給が望めない、キャリアを積むにも上手くいかないシーンが増えてくる事になります。そして、最終的には退職してまた職場探しという堂々巡りを繰り返えしてしまう悪循環に陥ってしまう可能性が高まってしまいます。
会社の将来性を見極める前に、あなたがどういった薬剤師を目指しているのか。
薬剤師としての将来性をしっかり持っておく事をおすすめします。
薬剤師の将来性をどう考えるかについては、こちらの記事が必読です。
『薬剤師の将来性をどう考えるべきか?』