| 薬剤師が転勤拒否をしない為にできる予防法：薬剤師転職navi |
異動命令を好む人は少ないもの
一度どこかの会社に勤め始めたら、普通は同じ場所で働き続けたいものですよね。もちろん、転勤する事で見聞を広めたり、色々な医師の処方を見てみたいなど思っていたりする方もいらっしゃるでしょう。
それでも転勤派は少数だと思います。
ずっと働くことでスタッフとも分かり合えていますし、薬局に来る患者さんとも仲良くなって顔なじみになっているはずです。こういった慣れが安堵感をもたらすというのも大きな理由なのでしょう。
人は緊張感より安堵感を求めますので、転勤を好まないのも分かるというものです。しかし、会社の一員として働く以上転勤の命令が来ることもあります。転勤希望しない人が、そういった事態を防ぐために打っておきたい手は何でしょうか。
１．面接面談時にやっておきたい事
基本的な事ですが、転勤がそもそもあるのか。それは確認しておかなければなりません。
募集要項に書いていないこともありますし、確認せずに入社してしまっては後の祭りです。まず面接時には、転勤の有無を確認しましょう。会社の一員になってしまうと、転勤を命じられたら基本的には拒否できません。過去記事『異動を拒否する方法について』にてその事は書いてあります。
入社前に転勤はしたくない事を意思表示しておくべきですが、直接的な表現は避けておきましょう。転職がある会社では、転職したくない人が毛嫌いされるというのもあります。
しかし、転職がある会社でも社員のランク分けをする事で転職不可の人材を集めている場合もあります。よく地域社員等と呼ばれたりしています。転勤はないか、またはあっても転職の影響を殆ど受けないような場所への転職といった感じです。働くスタッフや患者さんは変わるでしょうから、人間関係の再構築は必要ですが。
地理的、時間的な影響はあまり受けないというものです。このような社員の区別をしている会社でしたら、面接時に転職を避けたいという事を伝えておきましょう。
２．給与にハンデを背負うことで転職回避
上で書いた地域社員もそうですが、転職を希望しない社員の給与は低く設定されています。
または、昇進しても一定以上の昇進が出来なかったり、昇給額が低かったりと制限が課せられていることも多いです。転職が嫌というのは、会社から見ればわがままと取れるので、これは仕方ない事なのかもしれません。
地域社員のような社員の区分がない会社でも、給与交渉で自らハンデを背負っていくことで転職を回避していくことは可能です。（「転職はしたくないので、給与は低めでも良いです。」という交渉も可能な場合もあります。）
「転職もしたくない、でも給与は高くないと嫌だ。」
これでは採用も厳しくなってくるでしょう。
もちろん、あなたにそれ相応のスキルや知識が備わっているのならば可能なのかも知れませんが。しかし、常識的に考えるとわがままを押し通すのは難しいので、転職をしたくないのならば、別のところで差し引きを受ける必要もあるでしょう。
３．労働契約書に明記させる。
労働契約書には就業の場所に関する項目を記載しなければいけません。
そして、転勤の可能性についてもその中で明示しているものです。
面接時に転勤はないですよと言われても、契約書に転勤ありと書かれていたら契約書の効力が優先されます。口約束より、書面での締結の方が効力は高いですからね。
面接時に転勤なしと言われても安心せずに、労働契約書はしっかり確認しましょう。
もし、転勤はなしという事が書かれていなかったら、サインをする前に明記してもらうべきです。サインをした後で気づいても遅いので、そこは面倒臭がらずにしっかりチェックしましょう。
４．大きな会社は選ばない。
当然のことながら、会社の規模が大きくなればなるほど転勤の可能性は高くなります。
安定度ならば大企業の方が良いでしょうが、転勤しないという事を重視するのならば、中規模以下の職場を探すしかないでしょう。地域で頑張っている薬局や、個人薬局といったような店舗が対象です。転勤が発生してしまう原因を抑えるのも大事な事になります。
５．雇用形態を変える。
これは必ず変えなくてはいけないという訳でもありませんが、正社員だと転勤命令からは逃れられません。しかし、パートのような雇用形態では転勤を命じられることは殆どないでしょう。
元々の雇用条件が、特定の職場での募集になっているでしょうから。
転勤不可の方を重視するのなら、パートになって働くという選択肢もでてきます。他にも派遣薬剤師を選択することで、あなたが働きやすいと思える派遣先にだけ出るという事も可能でしょう。給与面では正社員より低いですが、働き方によっては同程度稼げる場合もあります。
６．転職コンサルタントにお願いしておく。
転勤がない職場を探すのは、個人だと大変なものです。
そういった事に労力を使うくらいなら、もっと別のことに使った方が有意義でしょう。求人探しはその道の人にお願いすれば良いのです。
また転職コンサルタントは、面接時も同行してくれるので転勤に関する言い難いことも代わりに質問、交渉をしてくれます。あなたが煩わしいと思うことは大抵代わりにやってくれるので、お願いしておいて損はないでしょう。
転勤したくないという事を押し通す事はなかなか難しいものですが、条件を絞ったり契約の際に注意を怠ったりしなければ回避できる事も多いです。その分払わなければならない代償もありますが、あれもこれもというのは無理に近いものです。妥協点をどこかで見つけつつ、良い転職を心掛けることが成功への近道です。
