薬剤師が体調を崩した場合、退職すべき? 休職すべき?:薬剤師転職navi |
思わぬアクシデントで、長期離脱する事になったら…
仕事だけに限らず、生きて行く上で病気や怪我もなく健康的にやっていけるという事は、とても嬉しい事ですよね。健康なのが当たり前と思っていると、病気をしてしまった時にその有り難みがよく分かるというものです。
薬剤師さんは仕事柄病気に対する知識もあり、対策もしっかりしている方が多いと思います。しかし、健康に気を使っていても病気になってしまう事はありますし、交通事故のように不慮の事故に遭ってしまう事がないと言い切れません。
自分の意思だけでこういったアクシデントを100%回避するというのは、ほぼ無理と言ってもいいのではないでしょうか。
不幸にもそういったアクシデントに見舞われて長期に会社を離脱しないといけなくなった場合、誰しも仕事をどうしたら良いのか頭を悩ませてしまうのではないでしょうか?
「病気になってしばらく療養しないといけないけれど、会社にこのまま残って大丈夫かな?」
「籍を置いていても何の役にも立てていないから、一度退職した方が良いのだろうか?」
などと考えてしまうものではないでしょうか。
薬剤師さんが怪我や病気で仕事から長期離脱する事になった場合、会社の事を考え退職した方が良いのでしょうか?それとも休職して復帰するまで待ってもらうのが良いのでしょうか?たまに頂く質問ですので、改めて考え方を纏めておきたいと思います。
退職する方が、迷惑になる事もあります。
長期の入院で仕事から長期離脱しなければならないという事に強い責任を感じて、退職を選んでしまう方が実は過半数以上に多くいらっしゃいます。しかし、これは会社にとって逆に迷惑になってしまう場合もあるのです。
実際にそういった事を言われた事のある社長さんや人事の担当者の方から話を聞くと、「責任を感じて辞めると言っているのかも知れないが、もっと長期的に考えて欲しい。」という風にお話をされていました。
会社側から見てみれば、昨今は異常なほどの薬剤師不足もありますので、怪我をしたから突然辞めると言われるのは、会社側が困ってしまう場合もあるようです。自分の会社に対して、特にやりたい事や愛着がなかったのかと感じてしまい、寂しいと感じる経営者も実はいるようです。
薬剤師の採用は、簡単ではありません。
また、当然退職されると人員を補充しないといけませんが、新しい人に仕事を教えていかなければなりません。その人が、あなたと同じレベルの仕事ができるまでにどれだけかかるでしょう?
薬剤師という職業は経験がかなり重視されるので、雇いたての薬剤師よりも少しブランクができてしまっても経験を積んでいる薬剤師の方が重宝されるものなのです。ですから、あなたが会社に長く勤めていればいるほど、会社にとってあなたの存在は大きなものなのです。復帰すると分かっていれば、しばらくの間は我慢と考えられますが、退職となればまた育成からという風になってしまうようです。
ですので、長期離脱することに責任を感じすぎず、会社と相談しながら、まずは休職を申し出る事を優先するべきだと考えます。
傷病手当金制度を賢く利用して下さい
会社への休職の手続きも済み、仮に療養に入ることが出来たとしましょう。病気や怪我で仕事から長期離脱する事になった場合、困るのは正直お給料ですよね。有給を使える期間は給料が支払われますが、その後は当然支払われなくなってしまいます。
「有給がなくなってしまったら、無収入になってしまうのか。それでは生活できない。」
と心配されるかも知れませんが、社会保険に加入していれば、傷病手当金制度がありますので、最低限の生活を担保するには、問題はありません。傷病手当金制度を利用すれば、給与の3分の2が歳代18ヶ月まで支給されますので、療養中の生活費には十分な額になるのではないでしょうか。
ただし、受付窓口は会社ではありませんので自分で健保組合に申請する必要が有ります。もし会社が代理でやってくれるようなところならば、お願いすると良いでしょう。手当の手続きも終わったら、後はしっかりと療養するだけです。(傷病手当金の申請用紙は、会社に言えば貰えることが多いです。)
支給条件などは全国健康保険組合のページで見ることができます。
病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金が受けられます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139
退職の方が望ましい場合もある?
会社視点からも、長期離脱の場合でも退職はしない方が嬉しい事が多いと書きましたが、もちろん例外もあります。それは復帰の目処が立っていない場合が多いかもしれません。
怪我や病気で入院する事になった場合、全治何週間だとかの診断をもらえると思います。治療期間に加えてリハビリが必要ならば、それを加味した上での療養期間を会社側に伝えて休職をするのが通常です。
しかし、回復の目処が立っておらずいつ復帰できるかも分からないという状態は、会社としても困ってしまう事が多いかもしれません。その場合は、退職という選択を取る方が良い場合もありますが、退職の場合でもすぐには自己都合の退職を選ぶのだけは、避けて下さい。
自己都合の退職よりも、会社都合の解雇の扱いのほうが、雇用保険、失業保険の観点から有利になる事があるからです。その点は会社とよく相談し、自主退職が良いのか解雇が良いのかを選択してください。(一般的には、①休職、②会社都合の退職、③自己都合の退職、で働く方には有利に働きます。)
休職を認めない会社の場合、どうしたらいい?
いつ復帰できるか分かっていても、会社に休職が認められない場合は退職を考えなくてならないかもしれません。そういった会社に自己都合の退職か解雇かの相談をできるかは難しいところかもしれませんが、少しでも辞めた後(失業保険の手続き等)が有利になるようにできるだけ、会社都合の退職(解雇)になるようにしてくださいね。
その後の事も心配でしょうが、まずはしっかり療養してください。そして、復帰が近づいてきたり、復帰しようと思っている場合には、当然新しい仕事を探す必要があります。そんなときには、ぜひコンサルタントにご相談ください。
療養期間中のブランクを考え、研修制度のある転職先やブランクがあっても問題ないというような、復帰後でも働きやすい職場をご紹介することができます。療養に入るときに復帰時期も合わせてご相談していただければ、復帰に合わせて転職の調整をする事もできますよ。