| ブラック薬局で働くと、薬剤師法違反に問われるのか？：薬剤師転職navi |
薬剤師法を知らないと、悪の片棒を担ぐことにもなります。
薬剤師として働く上で、薬剤師法遵守というのは非常に重要な事ですよね。守って当然の事ですから、違反をしてしまうと、もちろん罰せられてしまいます。
しかし、あなたが特に薬剤師法違反をしていないと思っていても、捕まってしまう場合があるのをご存知ですか？
「薬局で普通に働いているだけなのに、薬剤師法違反になる訳がないでしょう？」
と思い込んでいないでしょうか。
もし、あなたが今ブラック薬局で働いているとすると、あなたが知らず知らずのうちに薬剤師法違反に加担させられてしまっている場合もあるのです。ここからは、実際にあった事例を交えて説明していきます。
ブラック薬局＝薬剤師法違反 なのか？
まず、前提としてブラック薬局であったとしても、全ての薬局で全ての薬剤師さんが薬剤師法違反をしているという訳ではありません。ですので、ブラック薬局に勤めている薬剤師全員が薬剤師法違反に問われるという事ではありません。「もしかして、私の働いている薬局はブラックかも？」と思っていたとしても、その点は安心して下さい。
ブラック薬局といっても、単に労働条件が悪い、過酷な労働を押し付けるなどといった労働基準法に引っかかるというようなブラック薬局の方が多いのが実態でしょう。しかし、ブラック薬局であれば、会社の利益を最優先に求めている事が多いでしょうから、実際には薬剤師法違反を犯している可能性が高くなってしまうのもまた事実です。
例えば、雇う薬剤師の人数を限界まで絞って人件費の削減をしている薬局の場合です。薬剤師の人数が少ないので、働いている薬剤師さん1人1人にその負担はのしかかり、結果として過酷な労働を強いられます。それでも回らなければ、医療事務を調剤補助として使っているところが多いのではないでしょうか。
医療事務が、調剤補助をしていませんか？
薬剤師法に
「薬剤師ではないものは、販売又は授与の目的で調剤してはならない。」
という規定がありますよね。つまり、医療事務が調剤をするのは立派な薬剤師法違反なのです。
あなたの薬局でも、薬剤師の人数が少ないゆえに、こんなケースは起きてないでしょうか？
しかし、こういった環境で働いている薬剤師さんは、薬剤師法違反と分かっていても、「患者さんが待っているから仕方がない。他に人もいないのだから。」と目の前にある現実的な問題を解決することを重要視し、違反を受け入れてしまっている事も多いのです。
「バレなければ大丈夫」なんておっしゃられる方もいるようですが、調剤室がガラス張りのオープンになっている事を忘れてはいけません。もちろん全員ではありませんが、一部の患者さんはしっかりとその実態を見ているものです。
患者さんの通報で、保健所が抜き打ち検査
ハローワークは求人を紹介するだけの機関ですから、求人者（個人との雇用関係を探し求めている法人）に連絡してあなたの事を紹介はしてくれますが、その後の面接等はあなた自身で行わなければいけません。もちろん、給与の交渉もあなた自身で行わなければいけないのです。
実際に、患者さんからの通報を受けた保健所が抜き打ち監査にきて、違反が発覚してしまったというケースも存在します。そうなってしまえば、当然知らなかったでは済むはずがありません。経営者はもちろん、加担していた薬剤師も処分される事になります。一回でアウトというのは少ないようですが、一回目に警告し、その結果として改善がなければ行政処分という場合が多いようです。
しかし、ブラック薬局の場合は、根本に会社の利益優先主義がありますので、薬剤師の人数をそう簡単には増やしてはくれません。ですので、警告を受けてもそのまま改善せずに違反を繰り返す場合が多く、結果として最終的には行政処分を受けてしまう薬局もあります。
結局、ブラック薬局で働いてしまうと、これまで説明してきた通り、薬剤師法違反に問われる可能性、確率が高くなってしまう、という事がお分かり頂けたのではないかと思います。
あなたも、気づかないうちに違反に加担している
薬剤師法は薬剤師が遵守しなければいけない規則ですから、知っていて当然のものです。しかし、違反を犯してから、「そんな決まりがあるなんて知らなかった。」で済まされる訳がありません。それは、他の法律であっても同様のことですよね。
ベテランの薬剤師さんは、そういった違反にも敏感な方が多く、薬剤師法を熟知しておられるでしょう。しかし、薬剤師になりたての新人やブランク明けのパートさんらは薬剤師法を熟知していなかったり、忘れてしまっていたりする事があるのです。
また、知らずに加担してしまっているもので多いのが、「処方箋応需義務違反」です。
薬局が薬を調剤するには、処方箋を受け取らないといけませんが、門前の診療所など懇意にしている医師の指示で、院内で使う薬を処方箋なしで薬を診療所に提供している場合があります。
これは、「処方箋応需義務違反」に当たります。
実際に毎年何軒かの薬局が、この違反を犯し営業停止処分並びに加担していた薬剤師が処分されています。去年処分を受けた薬局のうち1件がこちらです。
参考：保険薬局及び保険薬剤師の行政処分について
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/documents/260723itoutyouzai.pdf
良く分かっていない新人やパートは、そういった事もやっているのかと受け入れてしまっている事が多いものです。悪いことというものは得てして見つかってしまうもので、発覚してから「知らなかった…。」では済まされません。
働くべき薬局は、しっかり見極める
このように、ブラック薬局で働いていると薬剤師法違反に問われる可能性が高い事がお分かり頂けたかと思います。
・あなたの薬局はどうでしょうか？
・薬剤師法をしっかり守った運営ができているでしょうか？
働くべき薬局を間違えてしまうと、気持ち良く働けないどころか違反を犯してしまう可能性もあるという事を知っておいてください。そして、どうか折角の価値の高い薬剤師資格を傷つけないようにしてください。
