年俸制の薬局は、長時間労働に気を付けて！

あなたの会社の賃金形態は？
薬剤師という職業の賃金体系は、セールスマンのような歩合制が大きいという訳ではなく、年齢・勤続給のような年功的なものと職能給、そして薬剤師の資格に対する手当のような諸手当で占められていると思います。
恐らく、ほぼ全ての会社がこういった賃金体系を取っているでしょう。

しかし、賃金形態に関しては会社によって変わります。
賃金形態には月給や週給のような定額制と年俸制の2種類があり、会社が最初からどちらかを決定していたり、入社してくる社員にどちらの形態が良いか希望を聞いたりする場合が有ります。

あなたの会社ではどうでしょうか？
月給制でしょうか、それとも年俸制でしょうか？
この賃金形態を選ぶ際に注意したいのが、長時間労働についてです。
もし年俸制で働いている場合、この長時間労働がやっかいになる場合があるのです。

年俸制に潜む罠
長時間労働と聞いて思いつくものは、そう…残業代がどうなるかですよね。
この残業代ですが、定額制であろうと年俸制であろうと所定労働時間を超えて働いた場合は、雇用者の当然の義務として残業代の支払いを行わなければいけません。
しかし、年俸制の形態を取っている会社の中には、長時間労働による残業代を支払わない会社があるのです。

残業代を支払わない会社には2パターンあります。
1つは経営者が無知な場合で、もう1つは意図的に残業代を支払わない場合です。

まず経営者が無知な場合。
これは単に経営者が年俸制ならば長時間労働をしても残業代の支払いは発生しないと勘違いしているケースです。
この場合は、経営者に年俸制でも残業代の支払いが発生する事をしっかり伝えましょう。
経営者が労働基準法違反というだけでなく、知っていて黙っていたのでは間違った行為が正しいと経営者により強く思わせるだけであり、何も解決しません。
会社全体がそういう風になっているのであれば、複数人の連名で経営者に申し出て解決してもらいましょう。

みなし残業という制度の怖さ
もう1つの意図的に残業代を支払わない場合。
これは注意が必要になってきます。
知っていて単に年俸制だから残業代は出ないと言っているだけならば、労働基準法違反を指摘する事ができますが、その対策を取っている経営者もいます。

それは、みなし残業という制度です。
年俸制での残業代を支払わなくて良い方法として、裁量労働制というものがありますが、
専門業務型裁量労働制は薬剤師には基本的に認められていないので就業規則に載せる事はできません。
代わりにみなし残業というものを給与の中に組み込ませているのです。

残業代として残業時間○○時間分の給与を含むと契約書に書いてあったら注意が必要です。
その場合はいくら長時間労働しようと残業代が変わらないなんて事になり得ません。

このみなし残業制度は、月給制を取っている会社でも注意が必要なのですが、
年俸制だと残業代が出ないと思っている薬剤師さんが多いので、年俸制はよりみなし残業制度が横行しているのです。
契約書をしっかり読まずに入社してしまい、後悔したという薬剤師さんもいらっしゃいます。

みなし残業がしっかり明記されていれば、それを追求する事は難しくなってきます。
よって、年俸制で働く場合は契約書・就業規則をしっかり確認する必要があるでしょう。

また、こういったみなし残業制度を取っている会社は大抵ブラックな会社であるものです。
給与のみならず、他でもトラブルを起こしてしまうかも知れません。

年俸制でも満足して働けるように
昨今、年俸制を導入する会社が増えているので、転職先を探してみたら年俸制の会社だったなんて事は珍しくありません。
そこで、転職の際はしっかり相手を見極めましょう。
職場の雰囲気が良くて働きやすそうと思っても、すぐに決定するのではなく契約書はしっかり確認しましょう。
またキャリアカウンセラーに相談し、最初からみなし残業制度を取ってない会社を探してもらうなど対策をしておきましょう。
入った後で後悔しないように、前もって備えておくのが大事なのです。

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